ベートーヴェン(Beethoven)交響曲第9番ニ短調 第1楽章は神 第4楽章はイラネ

ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」は、第4楽章喜びの歌が超有名である。

シロートの私が言うのも説得力がないのだが、この終楽章は、この交響曲を大きく損なっている気がしてならない。

ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調 いわゆる「合唱付き」だけど…

クラシック音楽を聞きはじめのころは、ベートーヴェンの第九の喜びの歌が流れると嬉しくしていたものだ。

しかし、この第1楽章を聴いたとき、まず、第九の初楽章にしては大きな違和感を感じた。

シロートとして簡単に言えば、第4楽章は歌えるのだが、第1楽章は歌いにくいのである。

そして、聴けば聴くほど、第九第1楽章の魔物にどっぷり冒されていくのである。

様々な下降型音型が、ずっとずっと繰り返される。

交響曲の第1楽章はソナタ形式、だから絶対音楽なのだが、第九の第1楽章では、再現部では第1主題が拡張されて再現する。
もはや、ハイドンやモーツァルトのシンフォニーとはまったく別のジャンルのものとなって、しかも完成しているのだ。

ブルックナーの第9番も同じことをやっている。

今も、第九の第1楽章を何回も聴きながらこのエントリーを書いている。

以下は、第九第1楽章のリストである。

ベートーヴェンは、彼の手書きの準拠したと言われるベーレンライター版のスコアがあり、さらには、当時の楽器や奏法を模倣したピリオド楽器・ピリオド奏法というのがある。
よって、モダン楽器によるモダン奏法、モダン楽器によるピリオド奏法、ピリオド楽器によるピリオド奏法と、演奏や録音は多種多様である。

さらには、向かって左に第一ヴァイオリン、右に第二ヴァイオリンという対抗配置というものもあって、いろいろな第九が楽しめる。

私は総じて、ピリオド奏法が好きである。

アーノンクールやガーディナー、ノリントンやヘレヴェッヘ、ラトルなどを好んで聴いている。